ホラー映画「リング」の正式続編が本作
「らせん」。
鈴木光司の原作は「リング」「らせん」のあと「ループ」と続いて完結するが、映画は「らせん」までしか作られていない。このあと作られた「リング2」もホラーだが、パラレルワールドでの物語となっており一般の評価はきわめて低い。
ちなみにその後に製作された「バースディ」は仲間由紀恵が主人公を演じる「リング」以前の物語。

本作主人公の安藤は
佐藤浩市が演じている。
佐藤浩市は私の好きな役者で、彼の独特の間合いは非常に面白いと思う。
メチャクチャな話でも成立させてしまうような存在感がある。
子供を喪った監察医・安藤の元に一人の死体が送られてくる。大学の同窓だった高山だった。解剖の途中、高山からの暗号が送られていることに気がつく安藤。知らぬ間に安藤は「リング」事件を追うはめに……
一般的評価はフツウ程度の作品だが、冒頭から物語途中までは観客を引き込む力があるように思う。
比較的、原作に近い(上映時間の都合上だろうか、いくつかの部分は改変されているが)
しかし徐々にトーンダウンしていって、「ああ……なるほど、フツウだわ……」といった感じ。
もともと原作を知らないと理解しづらいというのはあると思う。
ビデオの呪いの構造が変異して
感染力の強い物へとなった、というのが原作の話で、その間に遺伝子の話が盛り込まれている。荒唐無稽な話だが、原作は作者が力業で成立させてしまった。
そんなわけで映画にするにはかなり難しい部分がある。
それとは別の部分だが、原作のこのシリーズはホラーとはいえミステリ色が強い。
ミステリ色が強い映画作品といえばシャラマンとか「ソウ」とかが思い付くが、本作はああいった伏線を拾っていくタイプのオチではなく、新しい道が示されるというタイプのオチで、映像にしてしまうとシマリがない。シマリがないというか、エピソードとして語られているだけでクライマックスにならない(小説では上手く処理している)。
また、(原作もそうだが)「ループ」まで行かないと面白さが半減すると思う。
「ループ」がないとクライマックスにならないんだよね、ラストのシーン。。。
(「ループ」は映像化不可能ということで作られていない)
それなりに丁寧に作られていて好感は持てるのだが、うーん、ちょっと惜しい作品だと思う。
原作ファンで気が向いたらどうぞ、くらいだろうか。